関西大学経済人クラブ 関西大学経済人倶楽部は、会員相互の親睦と啓発を図ることを目的とし、政治・経済・文化・科学・芸術の分野迄、会員相互の啓発に取り組んでいます。

活動報告

2010年2月20日(土)

◆竹中平蔵客員教授講演会

 去る2月20日(土)午前11時~12時迄会計専門職大学院 竹中平蔵 客員教授の講演会が(千里山キャンパス 第3学舎4号館ソシオAV大ホール)開催され聴講してきました。

 演題は「政権交代と経済政策」でした。講演の内容は、冒頭にダボス会議に出席して、出席者から「日本は何をしているのか」から始まり、アダム・スミスの「国富論」から最後にサミュエル・スマイルの「自助論」の紹介があり終了した。主題の講演の内容は下記の通りでした。

 1.現政権には、経済・財政の政策目標がない(マクロ経済の政策概念がない、コンセプトがない)①前原大臣のオープンスカイ構想(ハブ空港)(自民党政権時代から願望であった)は素晴らしいが、郵政の株を売却しないで再国有化政策(郵便事業は、6割くらいになる)はよくない、政権の多重人格(二重人格)の政策で、政権の指令塔がない。
  ①自民党時代の経済・財政諮問会議が廃止され、国家戦略室にて議論するのは、民主党にとってはチャンスがある。
  ②53兆円予算のうち9兆円は減らすべきではない(GDP1.3%減ることになる)小さな前進、大きな後退

 2.JALの問題につて(法的整理を助けるべきかー政府はやってはいけない、ANAに影響)
政府はどのような企業に介入するべきか
  ①それはシステマテックリスクの場合       
  ②GMのような従業員30万人以上の場合である。解決策として、日本にメガ産業を作る。―産業政策を作る。

 3.参議院選挙後何らかの大変化がおこる。財政赤字2002年28兆円、2007年6兆円に減少(ドーマの法則)2010年の3年間に40兆円になる。
しかし、鳩山政権にはチャンスはある、今後10年間にこの赤字をどう減らすか(このままでは消費税25%になる)1981年フランスのミッテラン大統領は①一部企業の優遇②家族手当③労働時間の短縮といった社会政策をとり財政赤字が膨らんで失敗し、欧州統合によって、資本主義政策によって解決した。

 鳩山さんは日本のミッテランになってほしいと思う。ピンチをチャンスに変えてほしい。(小泉政権時代はあまりにも何も出来なかったことを踏まえての発言でした。)以上でしたが、参考までに①アダム・スミスの「国富論」と②サミュエル・スマイルの「自助論(Selfu-Help)」の一部を紹介しておきます。
  ①市場経済において各個人が自己の利益を追求すれば、結果として社会全体の利益が達成されるとする考え方。(後の新自由主義やマネタリストのイデオロギーとなった。
  ②1859年発行の成功伝集で(欧米人の成功談を集めたものである)1871年(明治4年)に当時幕府の留学生中村正直が「西国立志編」として翻訳、明治時代の終わりごろまで100万部売り上げたベストセラ本である。構成は13篇から成っており、私も20年ほど前に師匠で伝記作家の小島直記先生にいただいて読み当時は胸を高ぶらせていた。是非若い経済人、学生、大学院生に一読してほしい書である。

 なお、当日は当クラブの天野相談役、前田会計幹事、安達幹事も聴講されていました。

(代表幹事 田合 邦臣)