関西大学経済人クラブ 関西大学経済人倶楽部は、会員相互の親睦と啓発を図ることを目的とし、政治・経済・文化・科学・芸術の分野迄、会員相互の啓発に取り組んでいます。

お知らせ

2011年6月3日(金)

◆進めたいこの一冊-No1 津波災害

津波災害 -減災社会を築く  河田惠昭 著

 関西大学社会安全学部長・教授

     (岩波新書)2010年12月17日第1刷発行

 今年1月15日関西大学校友会 新年互礼会にてご挨拶させていただき、是非近い間に、経済人クラブにてご講演をお願いしたいと申し上げていた矢先の今回の東北、関東 大震災がおこりました。
昨年12月に出版された先生の含蓄の深い言葉に敬意を評しながら是非お読みいただきたいと思う。

中身の一部をご紹介しておきたい
「まえがきー
 この本の出版は、2010年2月27日に発生したチリ沖地震津波がきっかけになっている。わが国では、約168万人に達する住民を対象に、避難指示・避難勧告がだされたが、実際に避難した人は3.8パーセントの約6.4万人にすぎなかった。
 とくに、津波常襲地帯の北海道、青森、岩手、宮城、三重、和歌山 、徳島、高知の各県の沿岸市長村でも対象人口約74万人中、5.1パーセントの約3.8万人が避難したに過ぎない。このように極めて低い避難率であった。近年の津波災害では、住民の避難率が大変低いことはすでに問題となっていた。しかも、年々これが低くなっているのである。
「こんなことではとんでもないことになる」というのが長年、津波防災、減災を研究してきた私の正直な感想であり、一気に危機感をつのらせてしまった。沿岸の住民がすぐに避難しなければ、近い将来確実に起こると予想されている。東海・東南海・南海地震津波や三陸津波の来襲に際して、万を越える犠牲者が発生しかねない、という心配である。

 序章“安全な津波”はない。
2010年チリ沖地震(M8.8)のエネルギーの大きさは広島型原子爆弾の22,000発、世界エネルギー消費量(2006年)の5.7%,日本のエネルギー消費量(2006年)の1年3ヵ月分に相当する。」

この機会に是非皆様にお勧めしたい。

           (関西大学経済人クラブ代表幹事 田合 邦臣)