◆第14回関西大学先端科学技術シンポジウム

2010年1月28日(木)

 平成22年1月28(木)29日(金)の両日(関西大学100周年記念会館)第14回関西大学先端科学技術シンポジウムが「環境・都市・エネルギー」をテーマにして開催され、出席してきました。


(主催:関西大学先端科学技術推進機構 機構長 石川 正司)

 今回は、特別講演として、NPO法人環境・エネルギー ・農林業ネットワーク(EEFA)理事長 京都大学 名誉教授 芦田 譲氏が「21世紀は資源争奪の時代―持続可能・地方分散型社会の建設に向けてー」と題して講演されました。

講演の内容は
  1.時代の背景
  2.地球とは
  3.地球温暖化の確実な証拠
  4.温暖化の原因は炭酸ガスの増加か?
  5.世界のエネルギー事情
  6.エネルギーに関するセキュリテイ
  7.エネルギーとは
  8.世界の原油の残存確認可採埋蔵量と可採年数
  9.石油の発見量と生産量の格差
 10.石油と天然ガスの需要の増加
 11.レアメタルの用途
 12.主要国の穀物自給率の推移(カロリーベース)
 13.大陸棚申請の期限の変更
 14.海洋法条約による大陸棚の定義
 15.日中・日韓中間線付近の油・ガス田
 16.本当は世界に冠たる地熱大国日本
 17.食料の地産地消の実験
 18.エコパーク イメージ図
 19.これからの文明のキーワード
以上、19項目に分けて詳しく説明をいただき、大変示唆に富んだ話でありました。

とくに1.と19を紹介しておきます。
1.この世の全てのものは有限である。
 ・太陽は老年期に入っている。
 ・地球の自転速度は遅くなっている。
 ・万有引力定数は小さくなり。月が毎年少しづつ地球から遠ざかっている。
 ・人間の寿命も限りがある。
 ・当然、石油も有限である。
 ・産業構造を石油依存型から再生エネルギー依存型に変換すべきである。
 ・滅亡の危機に瀕しているのは地球ではなく、人類である。

19.これからの文明のキーワード
 1.経済成長が「ゼロ成長」
 2.技術と資源および環境との「バランス」
 3.社会と経済のバランス
 4.政府の統制と市場とのバランス
 5.物質生活と精神的生活とのバランス
要するに
 ・20世紀の大量生産・大量消費との決別
 ・新しい価値観
 ・倫理観の確立
 ・富の公正な分配
以上。(くわしくはシンポジウム講演集ページ1~6を参照してください。)

 なお、招待講演の中で、脳機能研究所 代表取締役社長 武者 利光氏の「脳電位解析からの心の状態を推定する」の話は実演を含めた、神経細胞活動のドミノ現象や、感性スペクタル解析法(中田喜直氏の曲を聴いての反応実験)と感性マトリックスは「喜怒哀楽」であるは大変興味深く聞かせていただきました。

 又研究発表部門では関西大学システム理工学部 専任講師 電気電子情報工学科キャリヤ担当 工学博士 和田 友孝氏の「パニック型災害時における非常時緊急通信方式」は今後の火災時の緊急避難に携帯電話を活用することに大きな窓口を開くことになると思いますのでさらなる研究を続けてほしいと期待しております。

 今回のシンポジウムには関西大学科学振興会(会長、隅谷 哲三)も後援しており、当日会長及び副会長の紀和 隆(経済人クラブの幹事)氏とも会談させていただきました。

 今後とも、経済人クラブの皆様の積極的な参加をお願い申し上げます。

(代表幹事 田合 邦臣)