◆平成23年度関西大学 特別公開講座

2012年2月18日(土)

平成23年度関西大学特別公開講座
(大同生命保険株式会社 寄附講座 ,http://www.daido-life.co.jp/)

-その1-
「関西中小企業の活性化と経営革新セミナー」開催される。
 平成24年2月18日(土)
 13:00~16:15・
 関西大学千里山キャンパス第4学舎3号館 3401教室にて開催され、聴講してきました。

第1講は「アイデアと技術で中小企業は、生き残る」と題して、株式会社 ヤマシタワークス(http://www.yamashitaworks.co.jp/ )代表取締役 山下 健治 氏

第2講は「海外進出における国内の役割」と題して、株式会社 タカコ(http://www.takako-inc.com)取締役相談役 石崎 義公 氏が講演されました。

第1講の主たる内容は
①山下社長の1986年に金属研磨バフの会社を創業された時の苦労話から“エアロラップ装置”の完成
②2012年の背景(昨年の震災による落ち込み、またタイの洪水のよる自然災害は、ほぼ持ち直してきている。しかし日本の国内供給と消費需要と考えれば今後の国内需要は少子高齢化や円高などにより輸出にたよらなくてはいけない)
③今おかれている日本企業、中小零細にもっとものしかかる7重苦といわれている。大打撃である。
 
1.法人税  
 2.地球環境(CO2削減、・エコなど)
 3.円高 
 4.経済連携の遅れ(TPP・FTAなど)
 5.新興国の低賃金(国内労働規制)
 6.電力問題(原発)
 7.政治不安定 ・・・・・大中小業問わず海外進出の加速 
④アイデアと技術のグローバル経営
1ステップ、 3年間 大手中小企業の構内下請けミガキ 作業
 2ステップ、 3年目 自社工場にて家電部品の金型づくり
 3ステップ、5年目車・自転車部品の金型づくり
 4ステップ、8年目 ミガキ装置(エアロラップ)開発及び販売 補助金
 5ステップ、10年目 薬品・錠剤の金型づくり
 6ステップ、12年目 薬品用金型材料開発及び販売 補助金
 7ステップ、15年目 タイにて、エアロラップ装置の製造・販売 世界戦略シリーズ
 8ステップ、17年目 独自資本にてタイ国進出 現在30名
 9ステップ、18年目 自動金型測定機の開発及び販売 補助金・新連携
 10ステップ、19年目 アメリカ・ドイツ・中国・韓国・台湾 ・シンガポールで代理店契約 
 11ステップ、20年目 ミガキ技術(エアロラップ)医療・歯科進出
 12ステップ、21年目 薬品メーカーへの(タンク・スクリュー)出張メンテナンス及びミガキの提供
 13ステップ、22年目 薬品包装技術の提供(PTPシート)
 計画 環境・医療・医薬装置・航空機関連業界算入
⑤社員教育(マナー・モラル)人財育成(リーダーシップ)
 1. 社員に強力に協力してもらう。
 2. 自社企業のあるべき姿
 3. シンプルな組織
 4. 社長も社員も崖つぷち
 5. 社長自身の革新
 
第2講の主たる内容は創業時から47項目にわたり詳しく述べられた。その内の主たる項目を選択してみると下記のようになる。
6.
①アキシャル ピストンポンプのプロダクションの研究開発会社創業②第一次オイルショック
③ハノーバーメッセでの出会い
④ボルボ社との取引開始⑤東大阪の職人との出会い。
15~18.GENEPRO(http://www.generalproduction.jp

ベトナムの優位性について
①地理的優位性(日本に一番近い東南アジア、China+1とThai+1の第2次べトナムブーム)
②製造業投資→年間稼動日数(法定で48時間、祝日が年9日のみ→年間300日稼動も可能)
③賃金水準(ビンズン省の法定最低賃金135万ドン・US$64.VSIP内日系企業のワーカー初任給はGross250万ドン前後・約US$119.
④民族・宗教(日本と同じ大乗仏教、日本人に近い宗教観。工場操業・労務管理上の宗教的配慮はほぼ必要がない)
⑤人口構成
 a)多さ8600万人
 b)若さ平均年齢が30歳未満
 c)西側ブランドへの馴染みが薄い
⑥良好な日越関係 #活発な要人往来(小泉首相、安部首相の訪問)#日越共同イニシアテイブ VSIP-YOUR STRATEGIC BUSINESS PARTNER
23.新商品開発:世界に無い物を造るか、世界に無い方法で作るか、今ある物の組み合わせに一味、差別化は商品と売り方。
24.トップシエアーをとるためには:誰もが、やっていない方法の工夫を開発し、品質と原価において絶対に他の追随を許さないものづくりをする。
☆買ってきた設備を並べるだけではダメ。
25.あるべき姿の想定:自分の会社をどのような形にしたらトップに成れるのか?業界トップ、日本一、世界一、その軸を外さず、目標として。
26.“私は出来ないという言葉は絶対に使わない“ 出来ないと言ったときから進歩なし想いを持ち続ける。問題意識を持ち続ける。“そうすれば将来は、必ず明るく楽しい“
27.“やれないということは“やらないにつながって進歩しない。なぜなら人間は、今までの経験からしかものごとを判断しないから・・・。“やってみようと考えるチャレンジ ”その事によって進歩し、成長し、クリアーして行く。想いだけでは進歩しないし、何も獲得できない。目的を達成することが出来ない。
28.問題意識を持っている者にのみチャンスは来る。発見がある。聞いたり、見たりした時に、アイデアが浮かぶ。
29.「日本のものづくり企業の新たな発展にむけて」(ゼネラルプロダクション株式会社・GENEPRO:General Production Company)ゼネプロは自ら製造販売するものづくり会社です。
30.日本の中小業は技術力があるにもかかわらず海外企業からのM&A、廃業、倒産が続いている。“何故か?”*単工程に特化しすぎるため、近隣地区以外から発注しにくい(お客様は、完成部品を求めている。)*海外のメーカーが素材・加工だけでは発注すること出来ない。今やグローバル化の波に乗れないものづくりにおいてビジネスチャンスは厳しいものがある。
31.日本には単工程の技術力がある中小企業が集積している(世界に例を見ない日本特有の姿であるがこのことが今まで日本の産業を支えてきた)
32.中小企業の勝ち残り作戦 !!単工程から完成品化へ!!両講師とも素晴らしい講演であった。中庸に「博く之を学び審(つまびら)かに之を問い慎んで之を思い明らかに之を弁じ篤く之を行う」を思いださせてくれた。

               (関西大学経済人クラブ 代表幹事 田合 邦臣)