◆関西大学経済人クラブ第237回例会

2023年2月6日(月)

 関西大学経済人クラブ第237回例会が2023年2月6日に開催されました。今回は大阪新阪急ホテルの会場とZoomを利用したWEB形式のハイブリット形式で開催され、来賓7名、会員53名、ゲスト8名の方にご出席いただき、東北経済人クラブからもリモートでご参加いただきました。楠隆夫副代表幹事の司会にて学歌斉唱から始まり、永尾俊一会長より開会のご挨拶をいただきました。ご挨拶の中で、1963年に創業された経済人クラブが60周年を迎えるため、第240回例会に還暦記念の例会が実施される事が周知され、参加が呼びかけられました。その後、会員の三原様より、今回ご講演頂くアズワン株式会社代表取締役社長の井内卓嗣様をご紹介頂き、「コロナ禍の研究医療の成果加速に貢献する~関西EC企業のグローバル展開~」というテーマでご講演がスタートしました。

・アズワン株式会社という会社について
アズワン株式会社は、元々は大学や研究所向けに実験器具のカタログ通販を行ってきた創業90年の卸売業者ですが、現在は「研究」「医療・介護用品」「産業」の事業におけるプラットフォーム型の企業として業界トップシェアを持たれており、研究に必要なものほぼ全てをワンストップで揃える事ができるサービスを提供されています。研究器具の販売だけでなく、研究者の困りごとである時間がない・お金がない・もったいないといった課題を解消するべく、レンタルや中古販売・研究の受託もプラットフォーム内で提供されています。また、ITやロボット等の先進テクノロジーを活用した業務改革にも積極的に取り組まれており、過去の問い合わせを全てシステムに登録する事により、研究者からの専門的な質問にオペレーターが即答できるような体制を整えられました。中でも、最新の価格や在庫情報を含む業界のあらゆる商品情報を保有するデータベースを作成する事により、業界全体の業務効率化へ貢献されています。

・井内社長の人生について
井内様は大学卒業後、商社マンであるお父様の影響を受け、スケールの大きい仕事をする事を目的に鉄鋼商社にご就職されました。入社後は、鉄筋を販売する部署に配属されましたが、取次のタイミングで大きく理財が変わってしまうため納期どおりの納品が難しく、現場の方とのトラブルが絶えませんでした。また、勤務後に営業の飲み会に参加し、店を出てから会社で雑魚寝をするような生活からうつ病になってしまい、20代を廃人のように過ごされたそうです。そんな中、ご結婚を機に義理のお父様の家業を継ぐため、当時の株式会社井内盛栄堂へご転職されました。最初は小さい会社を手伝うつもりで入社されたそうですが、成長が加速する会社を見て不安も感じられたとのことです。40才の時に社長のバトンが渡されたそうですが、井内様と同じく養子として社長を継がれた先代様の「自分のカラーを出し急ぐな。」というお言葉から、じわじわと漢方薬的に会社を変えていく事を決意されました。20代の時に井内様が経験されたようなつらい思いを若い人にさせたくないという思いから、一番大事な人に勧めたくなるような「良い会社」を目標に改革に取り組まれました。数ある取り組みの中で、社内の情報をオープンにすると共に、退屈な業務をRPA化させる事でクリエイティブにつながる真面目な雑談会「本音で語る会」を社内で浸透させたことは、データベース構築の成功にも繋げられたそうです。
最後に本間敏司副会長から謝辞を頂き、今回ご参加頂きました井内様へ、経済人クラブからの謝礼をお送りさせて頂き、閉会となりました。

(平成29年外国語学部卒 経済人クラブ事務局 関大パンセ 向井 琢磨)