◆関西大学経済人クラブ第238回例会

2023年5月15日(月)

 2023年5月15日、第238回例会が大阪新阪急ホテルの会場とZoom利用のハイブリッド形式により開催された。「2023年度総会」「ご講演」「懇親会」の三部構成で、楠隆夫副代表幹事の司会により進行。

 第一部の総会では、永尾俊一会長のご挨拶、9名の来賓のご紹介、芝井敬司理事長、前田裕学長、田中義信校友会会長のご挨拶をいただく。その後、永尾会長を議長とし議事に入り、事業報告及び計画、収支決算、監査報告、規約、役員改正等について決議。

 第二部では、株式会社サイエンスホールディングス代表取締役会長の青山恭明氏に「ファインバブル技術で、万博から世界へ」と題し二つの転機に分けてご講演をいただいた。
「企業トップとして自覚を得た転機」は、次女の急性白血病の発症、入院、治療にあった。娘への愛の深さ故、命長らえる保証がない病気故、一時は自身の人生の目的の全てが次女となってしまった。事業はどうなっても良い、少しの時間でも次女と過ごしたい、といった思いで日々を悶々と過ごしていた。ある日、阪神大震災のテレビ番組を何気なく見ていた際に長田区で中華料理店を営んでいたが震災により妻子も店も失ってしまった「林キタイ」氏の言葉により目が覚める。「絶対にこの場所でやり直してみせる。その時にまた撮影に来て。やり直して家族の供養にする」とカメラマンに向かって話していたのである。自分より苦しい筈の人の言葉を聞いて腑抜けの自分を省みた。「まだ娘は生きているのに」「仕事の仲間も居るのに、自分は会社のトップなのに」と。それからは、週に1度だけ娘の顔を見に行くと決め仕事に邁進。どん底からの生還である。そこで得た事は、誰にでも積極的精神のスイッチの赤ボタンと消極的精神の黒ボタンを持っている。消極的な気持ちになっている時(黒ボタン)には赤ボタンを押し直す事を習慣づけることにより、見える風景が変わってくる。成功するまで止めない、諦めない、ということ。おやじとして命をかけて企業のトップとして頑張ることを決意し真摯に事業に取り組み始めた。(入院3年後に次女は快癒)
「水に関係するビジネスを始めた転機」は、三女のアトピー及びそれによるいじめを受けた事にあった。学校から泣き帰る三女を見て心が痛く、あらゆる良いと言われる事を試したが治らず。ある日「塩素吸着アレルギー反応」ということがあると知る。もしやと自宅で脱塩素剤を含ませたシャワーを使ってみると、三ヶ月以内に三女の皮膚が快癒した。そこからが水に深入りする始まりとなる。脱塩素の仕組みに賛同してくれた株式会社タカラレーベン(以下タカラレーベン)の協力を得て、タカラレーベン分譲のマンションのバスルームにウォーターシステムのマイクロバブルを標準装備。モデルルームでの小さい水槽でのデモもインパクトがあり、サイエンスとタカラレーベンの相乗効果が目に見えてあがる。現在では、トヨタホームにおいても「美スパ」として付加価値として認められている。また、近時にCMされているシャワーは、顧客の大規模アンケートの女性の声から開発されたものである。よくある健康器具の様に買ってもすぐに使われなくなるものではない価値ある製品を模索、シャワーならば半永久的に家族皆が使えると発想、現製品となった。現在は飲食店やゴルフ場、飛行機の洗機場などでも重宝され、大きな節水ともなりSDGsにも繋がっている。ファインバブル技術の世界水準は日本にある為、2025年の大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」にも出展。テクノロジーの世界戦略を考えており、2030年には世界貢献できるものと考え進んでいる。

 既述のご講演の後、浅田美明副会長から青山様へ丁寧な謝辞及びお礼をお渡しする。
(一社)2025年日本国際博覧会大阪パビリオンの清水事務局長より大阪ヘルスケアパビリオンのご説明をいただく。

 続いて第三部の懇親会に移る。池内啓三相談役の乾杯のご挨拶の後、食事を楽しみながら歓談。新役員紹介、新入会員紹介、ゲスト参加者の紹介等が行われた。
本間副会長の挨拶により盛会のうちに閉会となった。

 次回例会は9月11日(月)開催予定
副代表幹事 安岡優子【昭和62年経済学部卒】