◆関西大学経済人クラブ第242回例会・2024年度総会

2024年5月13日(月)

 2024年5月13日、第242回例会・2024年度総会が大阪新阪急ホテル「花の間」とZoom配信により開催された。来賓、会員、ゲスト参加者合わせて総勢100名以上が参加する盛会となった。

 第一部の総会では、永尾俊一会長のご挨拶、来賓のご紹介、そして芝井敬司理事長、前田裕学長、田中義信校友会会長よりご挨拶をいただいた。その後、永尾会長を議長とし議事に入り、事業報告及び計画、収支決算、監査報告等について決議を執り行った。

 第二部では、Francfranc創業者の高島郁夫氏をお招きし「Francfranc30年の経営と新たな創造」のテーマでご講演をいただいた。はじめに、司会の村上康司代表幹事より著書『遊ばない社員はいらない』の紹介があり、高島様の型にはまらないユニークな人柄が窺えた。「理不尽なものに疑問を持つ~反骨精神~」のテキストがスクリーン上に浮かび、常識を疑い、大人たちに迎合しなかった幼少期・学生時代から、小さな家具メーカーに就職し、時には怒られながらも相手の懐に飛び込む営業スタイルで働いたサラリーマン時代までのエピソードへと展開。そして34歳で株式会社バルスを設立、2年後にFrancfranc1号店を天王洲アイルにオープンし、今までの家具業界にはない新しい価値を築き上げてきた。尖れば尖るほど人が集まる=人と違うことをした方が注目を集める、というブランディングで女性目線のライフブランドを確立し、30年に渡り支持を集めている。2021年に代表取締役を退任後、有限会社BLUEWEDGEおよび株式会社ABODA LIFEを設立。資産管理や飲食店業、旅館業など多岐に渡り事業を展開している。

【進む・変化する・深く進化する】
 どんなに良い商品でもいずれは飽きられてしまう。では、飽きられないためにはどうしたかよいのか。答えは絶えず変化する時代のニーズを予測し、クリエイティブし続けることである。ここで3原則「進むこと・変化すること・深く進化すること」が重要になってくる。環境の変化・ニーズを予測し、商品に取り入れる。これを繰り返すことで、Francfrancではただモノをモノとして売るのではなく、使うことで日常に新たな価値を生み出せる商品をつくり続けている。変化することをルーティーンにすると、深さが増して進化となるのだ。また、素直で謙虚な人は予知能力を身につけることができ、頑固な人は自分の考えに固執するため予知を図れないという教訓を念頭に置くべきである。

【速やかに決断→行動】
 コロナウィルスが流行する前、なにか世間が変わるような予感がした。そこで銀行に融資を依頼し、もしもの事態に備えた。結果、この直感が的中し新型コロナウィルスの流行という未曾有の事態に陥った。自粛生活により外出が困難になると、30万人だったインスタグラムのフォロワーは80万人へと増加。ここで早急にEC事業を強化し、オンラインでも店頭同様に買い物を楽しめる環境を整えた。その際、システムよりも「楽しさ」を重要視した。お客様にとっては楽しいサイトで楽しい買い物がスムーズにできるかどうかが大切なので、アクセスしたお客様すべてに満足してもらえるようなストアへと進化させた。

 ご講演の後、芋縄隆史副会長から高島様へ謝辞及びお礼をお渡しする。

 続いて第三部に移り、池内啓三相談役の乾杯のご挨拶の後、懇親会がスタートした。歓談中に高島様と名刺交換するメンバーの列が伸び、講演の反響の大きさが垣間見られた。会場が活気にあふれたところで新入会員・ゲスト参加者の紹介等があり、浅田美明副会長のご挨拶で盛会のうちに閉会となった。

岡 美里 (平成26年商学部)